ゼネラル・ミルズ(General Mills)とはどんな会社? 

ゼネラル・ミルズは、アメリカに本社を置く大手食品メーカーです。アイスクリームの「ハーゲンダッツ」やシリアルの「チェリオス」のブランドが有名です。その他にもインスタント食品やクッキーなど様々な製品を展開しています。本記事では、ゼネラル・ミルズの会社概要や経営状況、成長戦略を紹介します。 

ゼネラル・ミルズとはどんな会社 

出典:ゼネラル・ミルズ 

ゼネラル・ミルズは150年以上の歴史を持ち、100を超えるブランドを展開している大手食品メーカーです。同社の会社概要や歴史、経営理念を紹介します。 

会社概要 

ゼネラル・ミルズの会社概要は以下のとおりです。 

​​会​社名 General Mills, Inc. 
本社 アメリカ 
設立 1928年 
進出地域 100カ国 
ブランド数 100以上 
従業員数 34,000人(2024年5月26日時点) 
売上高 199億ドル(2024年度) 

歴史 

ゼネラル・ミルズの歴史の始まりは、1866年にキャドワラダー・C・ウォッシュバーン氏が設立した製粉工場です。1928年には、その製粉工場と4つの工場が合併され、ゼネラル・ミルズが誕生しました。 

1941年に、後の「チェリオス」となる「チェリオッツ」を発売。1970年には、レッドロブスターを買収しレストラン業界に進出しました。 

ピルズベリー社は1983年にハーゲンダッツを買収し、ゼネラル・ミルズは、そのピルズベリー社を2001年に買収して世界最大の食品メーカーとなります。さらに、2018年にブルーバッファローを傘下に加え、ペットフード産業への進出も果たしました。現在は、6大陸の100カ国以上で事業を展開しています。 

経営理念 

ゼネラル・ミルズは「世界が愛する食品を作ること」を企業の目的に掲げています。その実現のために、重要視している価値観は次のとおりです。 

  • 食品 

顧客を最優先に考え、製品の多様性や栄養価を高めるとともに、入手しやすい価格を追求する。 

  • プラネット 

地球環境の回復に取り組みながら、農家や地域社会の発展を支援する。 

  • 人材 

食への情熱を持ち、次のものを求める人材を採用する。 

  • コミュニティ 

公平性の推進に努め、回復力のある地域社会の構築を実現する。 

ゼネラル・ミルズの経営状況 

ゼネラル・ミルズの経営状況として、直近6年間の売上高と営業利益の推移を紹介します。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

2024年度の売上高は199億ドル(2兆9,850億円)で、2023年度の201億ドル(3兆150億円)と比較して、2億ドル(300億円)減少しました。一方、2024年度の営業利益は34億ドル(5,100億円)で、2023年度と同水準を維持しました。売上高が減少した要因は、販売数量の減少が挙げられます。※1ドル=150円換算 

また、地域別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

グラフから、同社の売上高の大部分はアメリカ国内に依存していることがわかります。 

ゼネラル・ミルズの事業別売上高の推移 

ゼネラル・ミルズの経営状況について、事業別売上高に焦点を当てて解説します。同社の事業別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

グラフから同社の主要事業は北米小売事業で、他の3事業の売上高の貢献度は同程度と言えます。ここでは、4つの事業の内容に加えて、売上高と営業利益の推移を紹介します。 

北米小売事業 

北米小売事業は、アメリカとカナダにおける小売事業です。具体的には食料品店・量販店・加盟店・ドラッグストア・ディスカウントチェーンなど、多様な形態の小売店に対して同社製品を販売しています。同事業の売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

※2020年度以前については、事業再編の影響によりデータがありません。 

2024年度の売上高は125億ドル(1兆8,750億円)で、2023年度の127億ドル(1兆9,050億円)と比較して、2億ドル(300億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は31億ドル(4,650億円)で、2023年度の32億ドル(4,800億円)と比較して、1億ドル(150億円)減少しました。売上高と営業利益が減少した要因は、販売数量の減少とコストの増加が挙げられます。 

インターナショナル事業 

インターナショナル事業は、アメリカとカナダ以外の地域における小売事業・ペット事業・フードサービス事業です。同事業の売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

※2020年度以前については、事業再編の影響によりデータがありません。 

2024年度の売上高は27億ドル(4,050億円)で、2023年度の28億ドル(4,200億円)と比較して、1億ドル(150億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は1億3,000万ドル(195億円)で、2023年度の1億6,000万ドル(240億円)と比較して、3,000万ドル(45億円)減少しました。売上高と営業利益が減少した要因は、北米事業と同様に販売数量の減少とコストの増加が挙げられます。 

ペット事業 

ペット事業は、アメリカとカナダにおいてペットフードの販売を担う事業です。同事業の売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

※2020年度以前については、事業再編の影響によりデータがありません。 

2024年度の売上高は24億ドル(3,600億円)で、2023年度の25億ドル(3,750億円)と比較して、1億ドル(150億円)減少しました。一方、2024年度の営業利益は4億9,000万ドル(735億円)で、2023年度の4億5,000万ドル(675億円)と比較して、4,000万ドル(60億円)増加しました。 

売上高が減少した要因は、販売数量の減少が挙げられます。一方、営業利益が増加した要因は、販売価格の上昇とコストの低下が挙げられます。 

北米フードサービス事業 

北米フードサービス事業は、アメリカとカナダにおけるフードサービス事業です。具体的には調理済みシリアルやスナック、冷凍ヨーグルトなどを販売しています。同事業の売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:ゼネラル・ミルズ「Financial Information」 

※2020年度以前については、事業再編の影響によりデータがありません。 

2024年度の売上高は23億ドル(3,450億円)で、2023年度の22億ドル(3,300億円)と比較して、1億ドル(150億円)増加しました。また、2024年度の営業利益は3億2,000万ドル(480億円)で、2023年度の2億9,000万ドル(435億円)と比較して、3,000万ドル(45億円)増加しました。売上高と営業利益が増加した要因は、販売数量の増加と販売価格の上昇が挙げられます。 

ゼネラル・ミルズの成長戦略 

ゼネラル・ミルズは成長戦略として「アクセラレート戦略」を実行しています。「アクセラレート戦略」とは、「大胆なブランド構築」「絶え間ないイノベーション」「スケールの解放」「善の実践」の4つの柱を重視し、持続可能で収益性の高い成長を実現する戦略です。具体的には、戦略的な買収と売却によってポートフォリオの強化や再構築を目指しています。 

ゼネラル・ミルズのポートフォリオ戦略に注目しよう 

ゼネラル・ミルズは、アメリカ国内を中心に事業を展開する大手食品メーカーです。100カ国以上に事業を展開しており、海外進出も積極的に行っています。同社が成長した要因の一つは、企業の買収や事業の売却によるポートフォリオ戦略です。事業拡大や海外進出を検討している経営者様は、ゼネラル・ミルズの事業展開の仕方を参考にしてみてはいかがでしょうか。 

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