ネットフリックス(Netflix, Inc.)の会社概要や業績を徹底解説 

ネットフリックスはアメリカに本社を置く、動画配信サービスを運営する企業です。世界で2億7,800万人に利用されており、アメリカ・カナダ・イギリスにおいて、シェア1位を獲得しています。 
日本でも韓国ドラマの「イカゲーム」が人気を博すなど、ネットフリックスは名前の知れた動画配信サービスです。
本記事ではネットフリックスの会社概要や業績、成長戦略について紹介します。 

ネットフリックスとはどんな会社 

出典:ネットフリックス 

ネットフリックスは、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」を運営している企業です。同サービスはサブスクリプション型のサービスで、会員は幅広いジャンルの映像コンテンツを視聴できます。この章では、ネットフリックスの会社概要や歴史、企業理念を紹介します。 

会社概要 

ネットフリックスの会社概要は以下のとおりです。 

​​会​社名 Netflix, Inc. 
本社 アメリカ 
設立 1997年 
進出地域 190カ国以上 
従業員数 13,000人(2023年12月31日時点) 
売上高 337億ドル(2023年) 
会員数 2億7,800万人 

歴史 

1997年、創業者のリード・ヘイスティングス氏とマーク・ランドルフ氏が、郵送によるDVDレンタル事業を創業したのがネットフリックスの始まりです。その後、1998年に世界初のDVDレンタル・販売サイトの「Netflix.com」を創設し、2007年にストリーミング配信サービスを開始しました。 

2009年にカナダに進出したのを皮切りに世界各地にサービスを拡大し、2016年には190カ国以上で展開されるまでに成長しました。2021年には会員数が2億人を超え、2022年には新たなサービスとしてモバイルゲームの提供を開始しています。 

企業理念 

ネットフリックスのミッションは、「世界中にエンターテインメントを届けること」です。ミッションの実現のために、高みを目指し続けるという企業文化を育み、才能ある人材が活躍できる環境づくりを実現しています。 

その企業文化は、以下の基本理念に基づいています。 

  • ドリームチーム(Dream Team) 

個人でも、チームでも成果を上げられる優秀な人材を採用すること。 

  • プロセスより人(People over Process) 

必要な情報を開示し、意思決定の自由を与えるなど、オープンな環境の中で活躍できる責任感の強い人材を採用すること。 

  • ドギマギするほど面白い (Uncomfortably Exciting) 

世界中にエンターテインメントを届けるために、大胆かつ野心的であること。 

  • すごい、を進化し続ける(Great and Always Better) 

改善すべき点に気付き、明日はもっと良くなるために常に自己研鑽をすること。 

参考:Netflix Jobs「カルチャーメモ – 人生最高の仕事を」 

ネットフリックスの経営状況 

ネットフリックスの経営状況として、直近6年間の売上高と営業利益の推移を紹介します。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

2023年の売上高は337億ドル(5兆550億円)で、2022年の316億ドル(4兆7,400億円)から21億ドル(3,150億円)増加しました。2023年の営業利益は70億ドル(1兆500億円)で、2022年の56億ドル(8,400億円)から14億ドル(2,100億円)増加しました。※1ドル=150円換算 

2023年は増収増益を達成し、グラフからも順調に事業規模が拡大していると言えます。 

ネットフリックスの地域別売上高の推移 

ネットフリックスの業績を深掘りするために、この章では地域別の売上高に焦点を当てます。地域別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

最も売上高の多い地域はアメリカ・カナダの44.2%で、次いでヨーロッパ・中東・アフリカの31.4%でした。さらに、各地域の売上高と会員数の推移を紹介します。 

アメリカ・カナダ 

アメリカ・カナダの売上高と会員数の推移は以下のとおりです。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

2023年の売上高は149億ドル(2兆2,350億円)で、2022年の141億ドル(2兆1,150億円)から8億ドル(1,200億円)増加しました。会員数も8,000万人を突破し、売上高と会員数は増加傾向にあります。 

ヨーロッパ・中東・アフリカ 

ヨーロッパ・中東・アフリカの売上高と会員数の推移は以下のとおりです。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

2023年の売上高は106億ドル(1兆5,900億円)で、2022年の97億ドル(1兆4,550億円)から9億ドル(1,350億円)増加しました。2023年の会員数は8,881万人で、最も会員数の多い地域です。アメリカ・カナダと同様に、売上高と会員数は増加傾向にあります。 

ラテンアメリカ 

ラテンアメリカの売上高と会員数の推移は以下のとおりです。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

2023年の売上高は44億ドル(6,600億円)で、2022年の41億ドル(6,150億円)から3億ドル(450億円)増加しました。ラテンアメリカでは会員数が順調に増えていることから、売上高も右肩上がりに増加しています。 

アジア太平洋 

アジア太平洋の売上高と会員数の推移は以下のとおりです。 

参考:ネットフリックス「Annual Reports & Proxies」 

2023年の売上高は38億ドル(5,700億円)で、2022年の36億ドル(5,400億円)から2億ドル(300億円)増加しました。アジア太平洋においても他の3地域と同様に、会員数と売上高の増加傾向が続いています。 

ネットフリックスの成長戦略 

ネットフリックスはどの地域においても会員数が増加しており、その結果、売上高も増加傾向が続いています。これほど順調に会員数が増加しているのは、特長的なサービスによって会員の満足度を高めているためです。ここでは、ネットフリックスの成長戦略として、同社のサービスの特長を紹介します。 

キャンセルがしやすい 

ネットフリックスのサービスの特長は、簡単に会員をキャンセルできることです。シンプルな操作でキャンセルできるため、顧客の満足度向上にもつながっています。反対に、キャンセルする際に複雑な手続きが必要だったり、電話窓口につながるまでに何十分も待たされたりすると、そのようなサービスを再度利用しようとは思わないでしょう。つまり、あえてキャンセルしやすい設計にすることで、入会のハードルを下げているのがネットフリックスの成長戦略です。 

オリジナル作品による競合との差別化 

ネットフリックスは映画やドラマ、アニメ、ドキュメンタリーなど多種多様なコンテンツを配信しています。加えて、成長戦略としてオリジナル作品の制作にも注力しています。 

冒頭に紹介した「イカゲーム」もネットフリックスのオリジナル作品です。オリジナル作品を見るためには、ネットフリックスに加入する必要があることから、魅力的なオリジナルコンテンツの制作が会員数の増加につながっています。 

顧客体験の最適化 

ネットフリックスは顧客体験を最適化するために、直感的に操作できるプラットフォームを開発しています。加えて、高品質な動画配信を実現し、会員がストレスなく動画を楽しめるように努めています。他にも、スマートフォンで見ていた動画をテレビやタブレットで続きから視聴することが可能です。このような顧客体験の最適化が会員数の増加につながっています。 

ネットフリックスと協業して海外進出を実現しよう 

ネットフリックスが運営する動画配信サービスは、アメリカ・カナダ・イギリスにおいてシェア1位を獲得しています。世界190カ国以上で2億7,800万人の会員が利用しているため、同サービスを介して作品が世界的にヒットをすることも珍しくありません。 

実際に、日本のオリジナル作品である「ONE PIECE」の実写版も、3週連続で世界1位を記録するなど大ヒットしました。コンテンツ配信サービスを提供する経営者様は参考にしてみてはいかがでしょうか? 

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