ペプシコ(PepsiCo, Inc.)の会社概要や経営状況を解説

PepsiCo, Inc.(以降は、「ペプシコ」と言います。)は、ペプシコーラやスナック菓子のフリトレーで知られるメーカーです。deallabの「食品飲料業界の市場シェア」によると、食品飲料業界で世界トップシェアを獲得しています。本記事では海外進出の参考として、ペプシコの会社概要や経営状況、成長戦略を紹介します。

ペプシコとは

会社概要

ペプシコの会社概要は以下のとおりです。

会社名PepsiCo, Inc.
本社アメリカ
設立1965年
従業員数31万8,000人(2023年12月30日時点)
進出地域200カ国以上
売上高914億ドル(2023年)

ペプシコは、ペプシやフリトレーを筆頭に500以上のブランドを展開しています。

歴史

1898年に消化不良の治療薬としてペプシコーラが誕生し、1902年にペプシコーラ・カンパニーが設立されました。1954年にペプシコーラ・カンパニーは海外部門を設立し、本格的に海外進出を始めます。

1965年にペプシコーラ・カンパニーとスナック会社のフリトレーが合併し、現在のペプシコが誕生しました。

同社は1986年の7-up InternationalやKFCを皮切りに、多くの企業を買収します。一例は以下のとおりです。

  • 1989年:Walkers Crisps・Smiths Crispsを買収
  • 1990年:Gamesaを買収
  • 1992年:Aquafinaを買収
  • 1998年:Tropicanaを買収
  • 2000年:SoBeを買収
  • 2007年:Lebedyanskyを買収
  • 2011年:Wimm-Bill-Dannを買収
  • 2016年:KeVitaを買収
  • 2018年:Bare Snacks・Health Warrior・SodaStreamを買収
  • 2019年:Muscle Milkを買収

このように数多くの企業を買収することで、世界トップシェアを誇るまでに成長しています。

事業内容

ペプシコの事業内容は、スナック菓子と飲料の製造・販売です。主要ブランドは以下のとおりです。

  • ペプシ(Pepsi):ソフトドリンクブランド
  • レイズ(Lay’s):ポテトチップス
  • ドリトス(Doritos):トルティーヤチップス
  • チートス(Cheetos):コーンスナック
  • ゲータレード(Gatorade):清涼飲料水・スポーツドリンク
  • マウンテンデュー(Mountain Dew):炭酸飲料
  • クエーカー(Quaker):オートミール
  • ソーダストリーム(SodaStream):炭酸水メーカー

ペプシコの経営状況

ペプシコの経営状況として、直近6年間の売上高・営業利益の推移を紹介します。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

2023年の売上高は914億ドル(13兆7,100億円)で、2022年の863億ドル(12兆9,450億円)から51億ドル(7,650億円)増加しました。営業利益も同様に、2023年は138億ドル(2兆700億円)で、2022年の123億ドル(1兆8,450億円)から増加しています。※1ドル=150円換算

売上高・営業利益が右肩上がりに成長していることから、同社が好調を維持していると分かります。

また、地域別売上高の構成割合は以下のとおりです。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

ペプシコの主要な地域は、全体の57.2%を占めるアメリカです。このことから、ペプシコの海外売上比率は42.8%です。

ペプシコの事業別売上高の推移

ペプシコの事業別売上高の推移から経営状況を深掘りします。まず、事業別売上高の構成割合は以下のとおりです。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

次に、上位4事業の売上高の推移を紹介します。

ペプシコ北米飲料部門

ペプシコ北米飲料部門はアメリカとカナダの飲料事業です。直近6年間の売上高の推移は以下のとおりです。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

2023年の売上高は276億ドル(4兆1,400億円)で、2022年の262億ドル(3兆9,300億円)から14億ドル(2,100億円)の増加でした。主な要因は商品価格の見直しによるものです。

グラフは右肩上がりであることから、アメリカ・カナダにおいて飲料事業が順調なことを示しています。

フリトレー・ノース・アメリカ

フリトレー・ノース・アメリカは、アメリカとカナダにおけるコンビニエンスフード事業です。直近6年間の売上高の推移は以下のとおりです。※コンビニエンスフードとは、スナック菓子やオートミール、インスタント食品などを指します。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

2023年の売上高249億ドル(3兆7,350億円)で、2022年の232億ドル(3兆4,800億円)から17億ドル(2,550億円)の増加となりました。主な要因は商品価格の見直しによるものです。アメリカ・カナダにおいては、コンビニエンスフード事業も順調に成長しています。

ヨーロッパ部門

ヨーロッパ部門はヨーロッパにおける飲料・コンビニエンスフード事業です。直近6年間の売上高の推移は以下のとおりです。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

2023年の売上高は132億ドル(1兆9,800億円)で、2022年の127億ドル(1兆9,050億円)から5億ドル(750億円)の増加となりました。増加した要因は商品価格の見直し、ロシアやトルコでの販売数量の増加が挙げられます。

ラテンアメリカ部門

ラテンアメリカ部門はラテンアメリカにおける飲料・コンビニエンスフード事業です。直近6年間の売上高の推移は以下のとおりです。

参考:ペプシコ「Annual Reports & Proxy Information

2023年の売上高は116億ドル(1兆7,400億円)で、2022年の97億ドル(1兆4,550億円)から19億ドル(2,850億円)の増加となりました。増加した要因は商品価格の見直し、メキシコ・グアテマラ・コロンビアでの飲料の販売数増加です。

ペプシコの経営戦略

ペプシコは成長戦略の要として以下の3つの柱を掲げています。

・FASTER(より早く)

消費者中心のイノベーションや事業強化のための投資、ポートフォリオの再構築により早い成長を実現すること。

・STRONGER(より強く)

全体的なコスト管理に加えて、能力の近代化・デジタル化に投資すること。

・BETTER(より良く)

地球と地域社会のために、さらに貢献すること。

強力なブランドをグローバルな販売網で展開するペプシコ

ペプシコは飲料・スナック菓子の世界大手企業です。世界200カ国以上に進出し、2023年の海外売上比率は42.8%でした。ペプシコの強みは、500以上のブランドとグローバルに展開する販売網です。また、同社の歴史から、企業買収を積極的に推進したことで成功した企業とも言えます。事業を拡大したい方は、ペプシコを参考に海外進出を検討してみてはいかがでしょうか。

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